2008年04月25日

夏季学校のいろいろ。さまざま。

7月末から、8月初めにかけて毎年、松本市で行われる夏期学校は、国内はもとより、海外からも多数の参加があり、数百人の先生方と1,500人にのぼる生徒、ご父兄で松本市街があふれかえります。その夏期学校での話を・・・・・。

もう十数年も昔のこと。鈴木鎮一先生がまだご健在であった頃のことです。当時鈴木先生は子供たちに人気のあったパンダ(あの動物のパンダです)をもじって、弓先をふらつかせないために、パン で弓を用意させ、ダ で親指に力をこめるパンダ奏法なるものを考え出し、全国の教室で、パンダ・パンダ・・・・とやっておりました。

そこで、私も当時受け持った教室で、「よし、まずはパンダからだ」と思い、レッスン初日の開口一番、当然知らない人はいないものとふんで、「みんな、パンダを知っているね〜」と言ったところ、なんと!最前列におられたムーミンパパのようなお父様が、しっかり手を挙げて、「先生、僕、知りません」といわれました。

当然、皆知っており、レッスンでもやっているはずと思い、既に気持ちは次にやることに移っていた私は、そこで先制パンチを受け、ガクリ・・・・。「な・な・なんなんだ、このお父さんは・・・。」と思いつつ、それではパンダの説明からしなければならないかと思ったその時、ご父兄の中から「ノーベル賞・・・・。」「トネガワセンセイ・・・」等とささやきあう声が聞こえてきました。その瞬間、前日の打ち合わせのことが思い出されたのです。

夏期学校実行委員長より、「今回の夏期学校にはノーベル賞受賞の、あの高名な、利根川 進先生がお子さんをつれて参加されます。どのクラスに入られるかは未定ですが担当の先生はくれぐれも失礼のないように」・・・・・ぎえ〜・・・・当たってしまった〜・・・・なのです。そこで、恐るおそる「あの・・・・失礼ですが、ノーベル賞のトネガワセンセイですか?・・・」とおききしたところ、苦笑いのような、照れたような童顔で「いや〜・・・」とのこと。そこで教室は大騒ぎ。その後のレッスンは何をどうやったか覚えていません。


午前のレッスンを終えると午後のグループレッスンがありますから、あわただしい昼食をとらなければなりません。友人の先生と昼食を食べに入った店でなんと、手を振って「花ちゃんの先生〜」と呼ぶ声がするではありませんか。みると、トネガワセンセイ。花ちゃんとは先程レッスンをした利根川先生のお嬢さんのお名前で、奥様は下のお子さんのクラスにいかれておられたとか・・・。奥様はモデルさんのように美しい方でした。


こんな機会は二度と無いと思い、写真を一緒に撮らせて頂きました。写真が出来たらお送りしますので、ご住所を教えて下さい、と言ったところ、紙に書いて下さったのが、NASA、USA・・・・これで利根川 進宛で届きます。とのこと。流石世界のNASA、さすが世界のトネガワ・・・・。


今でも忘れられない思い出の1つです。

佐々木
posted by suzukimethod at 00:05| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒヤシンス  −私がこの道に入る前の修行時代の想い出話です。

中 塚   久

私がこの道に入る前の修行時代の想い出話です。

時は昭和28年、ところは信州松本市の旭町、スズキ・メソードの祖、鈴木鎮一先生のご自宅です。今日は研究生の具ループレッスンの日で、5、6名の若者が先生のご指導を受け、それが終わると、お茶の時間、鈴木先生を囲み、談笑の中から私たちは含蓄のある先生のお話を伺えるのです。

時にはスズキクヮルテット時代の裏話だったり、講和だったりと様々ですが、どれをとっても、勉強中の私たちには実になるお話です。

それはさて置き、気になることは、窓辺におかれた一鉢の植物です。当時流行った水栽培の球根だそうで、ガラスのフラスコ風の容器の口元に一個の球根を乗せ、水を満たして追々花を咲かせて楽しむというもので、先生も毎日観察しながら、その成長を楽しんでおられました。レッスンに伺う度に、私たちも一緒に花を咲かせる日を楽しみにしておりました。それが期待を裏切りさっぱり芽が出ないのです。

伸びるのは水の中の根ばかり、その姿は、『蔓延る』という形容がぴったりの勢いで、先生が仰っている『生命活動力』がここにも働いている!と実感させられました。そんなある日、芽が出初め、あとは、根にも勝る勢いで葉が出、茎が伸び・・・・そして薄紫の見事な花を咲かせました。それはヒヤシンスでした。

スズキ・メソードの教えの中に、『備・教・育、育、・・・』という言葉があります。備はそなえであり、準備のないところに教は行われない、そして、このヒヤシンスの栽培から、あれほど根が張って、初めて芽が出、そして花を咲かせる、そのプロセスを教えられました。そして

鈴木先生の格言に『ひとは環境の子なり』という名言がありますが、才能を育てる土壌は環境であり、それが目に見えないところで働いていることを教えられました。

posted by suzukimethod at 00:00| Comment(0) | 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする