2009年07月31日
コロコロと
モーツァルトの音楽は本当に面白い。
表情の変わり方が半端なく、1小節ごとにコロコロと変化していきます。
今笑ったかと思えば、今度は重苦しくなり、涙を一瞬見せたかと思えば、急に周囲を驚かせ、それに皆が騙されたことを楽しんでいる…。これが1小節、半拍ごとに訪れるんです。
また、単純な繰り返しはしないで、いつも次々と同じフレーズに手を加える…もしもモーツァルト本人が目の前で演奏してくれていたら、即興演奏としか思えないでしょう。サービス精神が本当に旺盛で、聴く者を常に喜ばせようとしています。
そんな特徴がふんだんに出ているのが、K.330なんです。特に第1楽章はモーツァルトの権化のような曲と言えます。
しかし、それも、彼の多様な音楽性の一部に過ぎない…モーツァルトの音楽は、「分かりやすい」音楽の代表のようでありながら、知れば知るほど実に奥が深い。
モーツァルトの弦楽器のための曲に関しては、また是非別の機会に書きたいと思います。
飯塚
2009年07月30日
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ
今日のBSクラシック倶楽部は、アンドリュー・マンゼのバロック・ヴァイオリンでしたね。
J.S.バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」から、第2番 イ長調を演奏していました。
この「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」は全部で6曲からなる曲集で、個人的に本当に大好きです。残念ながら一般的にはあまり有名な曲も含まれておらず、ヴァイオリン弾きでも扱ったことがないという方も多いかもしれません。ですが、本当に良い曲の集まりなのです。
なのに何故有名でないかというと…単純化して申し上げますと、あまりメロディアスではないからです。
ふつうヴァイオリン・ソナタといえば、もちろんヴァイオリンが主役であると想像します。ですからこの曲を聴くときも、ついついヴァイオリンを耳で追ってしまいます。
ところが「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」というくらいですから、ヴァイオリンと、チェンバロの右手と、チェンバロの左手という3声部が、それぞれ主役になったり、伴奏になったりと、一見ちょっとだけ複雑なので、あまりクラシック(というかバロック…というよりもバッハの)音楽になじみの無い方にとっては、少し難しく感じられるかも知れません。
ですが、良く考えてみれば3声の音楽なのですから、先日ここで紹介させて頂いた「インヴェンションとシンフォニア」と同じ作りをしているので、何も難しいことはないのです。単に、その中の1声部がヴァイオリンになっただけなのです。
さあ、これで今日から皆さんのライブラリーに新しい仲間が増えましたね!
まだお聴きになったことのない皆さん、是非是非トライしてみて下さい!
ちなみに、第3番の第3楽章は僕の、あらゆる曲の中で最も好きな曲です。
理由などなく、限りなく崇高で、本当に美しい、良い曲だからです。
飯塚
2009年07月29日
究極の洗濯
いつもどこへ行くにも基本的に自転車を使う私にはこの時期の気候は非常にやっかいです。
一番悩むのが、雨を防ぐべく合羽を着るべきか否か、なのです。
やはりこの夏の最中、雨で湿度が上昇しきっている状態で合羽を着、自転車を漕いで長距離運転していると、合羽内は相当蒸れて、汗まみれになります。
雨で服が濡れるのを防ぐべく合羽を着たはずなのに、その合羽を脱ぐと中の服は汗まみれでビショビショ…着た意味があったのか…。
これならいっそのこと雨に濡れた方が良かったのでは、とも思えてしまう今日この頃、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第1番「雨の歌」が、しっとりと身にしみ入ります。
飯塚
2009年07月28日
お見舞い
ここの所、全国的に天候が不順で、大きな災害がニュースで報道されています。
スズキ・メソードは全国(と言いますか、世界各地に)教室がありますので、このたびの天災のあった地域で教えてらっしゃる先生方、生徒さん達、そのご家族に被害がなかったことをお祈りするばかりです。
不幸にして災害にあわれた皆様、心よりお見舞い申し上げます。
以前、仙台で大きな地震があったときには各地の先生方からお見舞いのメールなどを頂戴し、非常に励まされたことを思い出します。
こんなとき、音楽は大きな癒しとなります。
芸術は、人間の生み出したものでありながら、何か人知を超えた力があるのが、不思議です。
飯塚
2009年07月27日
ん?
先週ラジオを聴いておりましたら、音楽を学ぶ人皆に通じる言葉が紹介されていました。
Only those who have the patience to do simple things perfectly will acquire the skill to do difficult things easily. ―Johann SCHILLER
(簡単なことを完璧にやる根気強い人達だけが、難しいことを難なくこなす能力を身に付ける。)
これは本当にそうですよね…しかしこれが不誠実に行われがちです…もちろん僕の話ですが!
ん?
でもシラーの言葉ってことは元はドイツ語のはず…と言うよりもまずシラーの言葉だったのかと今書きながら気が付き…英語で紹介されていたので安易に英語圏の人の言葉かと思っていました…。
でもせっかくなので英語も載せておきます。
飯塚
2009年07月26日
お母様方、お気を付け下さい…。
随分と以前のことですが、教室の発表会の練習を皆で集まってしていた時の話です。
休憩時間に生徒のみんながオヤツを食べながら雑談をしていました。
何となく耳にしているていると、「自分の家の先祖は何をしていたか知ってる?」というテーマで小中学生達の間であれこれと話が盛り上がっていましたが、それを傍らでずっっと静かに聞いていた幼稚園児二人がオモムロに口を開いて曰く、
A:「ウチのママの先祖はオニババ。」
B:「ウチもー。」
突然のA君の問いかけに対し、B君の返答のスピードはA君の語尾を聞き終わる前に…。
その年も楽しい発表会でした。
今年は10月17日 土曜日に、宮城野区の常盤木学園 シュトラウス・ホールにて。
飯塚
2009年07月25日
おや!?
ところが、毎年いつの間にか休みは過ぎ去り、練習に励むどころか休み明けに近づくレッスンに恐れおののくことに…というパターンに陥ってしまいがちです。いや、これをお読みの皆さんではなく僕がです。
そこで至極当たり前のことに気が付いたのですが、夏休みを有効に利用したいならば、普段学校や仕事に行っている時間にこそ、その強化したいことをしなければ、まるで意味がないのですね!
しかしついつい朝寝坊…午前中を好きなことをして過ごして午後もゆっくりテレビを見ていたら、「おや、3時を回ったぞ!」の毎日。
これでは結局、残った時間はルーティンをこなすだけで終わってしまいます。そしてそんなこんなで気が付くと8月後半に突入…鏡を見るとそこにはムンクの名画が写っていることに…。
やっと気づいてしまったので、頑張ります…。
飯塚
2009年07月24日
宝石を独り占め
ご存じの通り、J.S.バッハが長男のヴィルヘルム・フリーデマンのピアノ(当時はまだチェンバロやクラヴィコードの時代でしたが)、そして作曲の教育のために書いた、いわば「練習曲」の一種ともいえる作品集で、2声のインヴェンション・3声のシンフォニアともに15曲ずつあります。
その1曲1曲がどれ一つ取っても本当に個性的かつ魅力的で、非常に確固とした作りの曲ばかりながら、いつ耳にしても、音楽の瑞々しさ、そして父親の愛情がそこここに感じられます。
ピアノ学習者にとっては、大きな憧れであると同時に、最初の大きな壁の一つと言われますが、ヴァイオリン弾きの私にとっては扱えるだけでもとても羨ましい限りです。
弦楽器用にアレンジされたものをたまに演奏する機会がありますが、2人または3人でそれぞれ1パートずつしか演奏することが出来ません。
飯塚
2009年07月23日
このたび、
表紙に<新版>とかいてありましたら、改訂版です。書店や楽器店などでお探しの際は、その表示にご注目下さい!
ご存じの方も多いかと思いますが、それまで発行されておりました教本も、何年か前に改訂されたものでした。
今回発売されました版は、それを更に新しくしたものです。
スズキ・メソードの教本は、世界中で使われておりますが、実は以前の改訂は日本版のみに施されたものでした。今回はそれを国際的にもすべて新しくするにあたり、世界のスズキ・メソードの代表が内容を更に吟味し直し、より良いものを目指して出来上がった版だと聞いております。
内容のみならず、付属のCDも新録音になっております。
以前の版をお持ちの皆様も、是非この機会に<新版>をお求め下さい!
飯塚
2009年07月22日
本日
2009年07月21日
ワディム・レーピン
レーピンのラロは非常に好きなCDの一つでよく聴いていたので、映像を見られるのがとても楽しみです!
2009年07月20日
エル・システマとドゥダメル
何年か前にはNHKで大変感動的なドキュメンタリーも放送されましたが、その番組内でもクラウディオ・アバドやサイモン・ラトルなど、世界のトップクラスの指揮者が賛辞を送っています。
簡単に言うと、この「エル・システマ」とはオーケストラを主体とした音楽活動を通じ、子供たちを育てていこうという人間教育のシステムで、これが子供たちに芸術性や協調性、勤勉さを与えるのみならず、犯罪から遠ざけたりする効果もあげているのです。
このシステムから生まれた最も注目される存在が、指揮者のグスターヴォ・ドゥダメルではないでしょうか。
昨年のベルリンフィル・ワルトビューネ・コンサートでもバトンを振り、圧倒的な演奏で、おそらく私だけでなく、世界中の聴衆を熱狂の渦に巻き込んだに違いありません。
このコンサートで演奏されたラテンのナンバーはほとんどがそれまで知られていないような曲ばかりでしたが、この時の放送を通じ、世界中のオーケストラのレパートリーに影響を与えてしまうのでは?と思えるほどインパクトの強いものばかりでした。
ベルリン・フィルがまさに踊ってまいした(中でもアンコールの「マンボ」は最高でした!)。
ヴェネズエラのユース・オーケストラの日本公演も放送を見ましたが、本当に素晴らしい!まだ彼らの演奏を見聞きしたことがない方は、DVDやCDなどたくさんの媒体が発売されています。機会がありましたら、是非是非ご覧ください!
飯塚
2009年07月08日
エリン・キーフさん コンサート
ヴァイオリニストのエリン・キーフさんは前回のコンクールで第2位となられた方。バッハからバルトーク、シベリウス、クライスラーと名曲を迫力満点の演奏でじっくり聴かせてくださいました。
演奏者自身のお話を盛り込みながらのコンサートでしたので、その人柄を身近に感じられるところがとても良かったです。その中で・・・なんとエリンさんは8歳からアメリカのスズキ・メソードで育ったそうです。皆さんの先輩だったんですね!ヴァイオリンを選んだ理由がとてもユニークで。「新しい家のドアが小さくてピアノが入らなかったから」・・・なるほど。
伴奏は仙台出身のピアニスト高橋麻子さんでした。とても息の合ったアンサンブルだったので、「今日で会って三日目です」にびっくり!
高橋さんの言葉に「たとえ言葉が通じなくても音楽があれば、解かり合える。それが素晴らしいです」
世界の共通語「音楽」を通じて、たくさんの人と色々な気持ちを共有できたらいいなあ。
次の日、支部合奏会であちこちの教室から集まってきた生徒さん達が楽しそうに一緒に演奏している姿を見て、しみじみ感じてしまいました。
菅野
2009年07月05日
仙台支部総会と合奏会
梅雨の晴れ間で気温も上がり、冷房の無い部屋はちょっと蒸し暑かったですが、心地よい扇風機の風の中、参加してくれた生徒の皆さんと演奏を楽しむことができました。
総会の方も、有意義な時間が持てたのではないかと思います。
わざわざお出で下さった皆様、本当にありがとうございました。
来年もたくさんのご参加をお待ちしております。
飯塚