シューマンのヴァイオリン・ソナタ第2番も、フェルディナント・ダーヴィトのために書かれました。
そもそもシューマンのヴァイオリン曲は皆晩年に、つまりシューマンに精神病の傾向が現れてからの作品と言われ、曲の内容にもその影響が出ている、と指摘されることが多いようです。
確かに、若いころに書いたピアノ曲の精緻さや、シンフォニーで見せた完成度の高さとは違うものを感じます。
それはたとえば、内側から湧き上がってきた旋律を思いのままに五線にどんどんと書き落としていったような、推敲や反省を繰り返して成り立ったものとは違う、作曲家の本来持つ「生」の部分がそのまま味わえる、そういう感覚かも知れません。もちろん、この作品も推敲や反省を持って書かれてはいるのでしょうが、そういう感覚にとらわれます。
内容的には、第1番のソナタ同様やはり高音をあまり用いず、シンコペーションを多用したより複雑なリズムでピアノとの対話も難しさが増しています。
第1番の方は抑制と開放を繰り返したパッションは、第2番ではより放出される方向にあります。
とにかく、簡単に言うと、もっと熱い曲です!
何年前でしょうか、仙台でジャン・ジャック・カントロフがリサイタルを開いた際、この第2番のソナタを取り上げていました。生演奏を聴くことが出来たのは非常に幸運でした!
さて、最近YouTubeでこの曲の名演を見つけました。
最近とても人気のあるフランスの若手ヴァイオリニスト、ルノー・カプソンと、言わずと知れたマルタ・アルゲリッチのライブ演奏です。
かつてないほど熱い演奏です!すばらしい!
ご紹介しているのは第4楽章の演奏ですが、全楽章見られるようです。是非ご覧ください!
飯塚