2015年03月23日

2倍おいしく

速いもので、15日の支部合同演奏会からアッという間に1週間が経過してしまいました!


すっかり遅くなってしまいましたが、本番当日、会場まで来て下さった皆様、また出演してくれた生徒の皆さん、裏方として当日たくさんの汗を流してくださった係りの皆さん、そしてご自宅でお子様方を励ましながら笑顔で会場に送り出してくださった全ての保護者の皆さんに、この場を借りて心から感謝を申し上げます!

本当にありがとうございました!


コンサート当日は、個人的には色々と小ハプニングがございました。


指揮中に、顔に汗をかきすぎて、メガネが何度も何度もずり落ちそうに、いや飛びそうになったこと。

弦楽合奏の指揮中に、指揮棒を譜面台にぶつけ、あやうく吹っ飛びそうになったこと。

その弦楽合奏の演奏が終了しても、全く拍手がなく焦ったこと(これは僕がプログラムに楽章がいくつあるかを書かなかったことが原因です!)。


しかし、一番のハプニングは、演奏会の翌日、健康診断を控えた佐々木先生が、当日用意されたお弁当を召し上がれないとのことで、急遽2人分のお昼を頂くことになったこと!


これはかなりお腹がパンパンになりました!


ズボンがはじけるか!という勢い!


もしや、これにより代謝が良くなりすぎて、異常に顔に汗をかいたのか!


しかし、お弁当の味は最高でした!

佐々木先生、ありがとうございました!

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2015年03月15日

紅茶はジャムパンとご一緒に

いよいよ本番が明日に迫ってまいりました!



明日3月15日(日)は、皆様お誘い合わせの上、是非日立システムズホール仙台へ!
(前日に今更ですが、旧仙台市青年文化センターです!)


さて、前日の今日は、コンサートのラストを飾る、ロジャースの『ドレミのうた』についてお話ししたいと思います。


もはや説明が不要なくらい有名で、歌えない人はいない程かとも思いますが、一応基本情報を押さえておきますと、まずこの曲は元々ミュージカル映画の金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われた曲である、ということです。


映画『サウンド・オブ・ミュージック』は、今年で制作50周年なのだそうです。
実は、私たちスズキ・メソード仙台支部が発足してから今年が60年目!ですので、これも何かの巡り合わせでしょうか!


『サウンド・オブ・ミュージック』といえば、この他にも、何故か日本人にとっては京都のテーマ音楽のようになってしまっている『私のお気に入り』などが挿入歌として大変ポピュラーですが、この2曲に関しては、もう映画を離れて独立したスタンダード・ナンバーになっていますね。



歌詞としては我々日本人にとって、ペギー葉山さんの訳詩以外にはあり得ないわけですが、原曲の英語の歌詞を見てみますと、


Do-Re-Mi(ドレミのうた)
Doe, a deer, a female deer (”ドー”は鹿、雌の鹿)
Ray, a drop of golden sun (”レイ(光線)”は黄金の太陽のしずく)
Me, a name I call myself (”ミー(私)”は自分を呼ぶときの言い方)
Far, a long, long way to run (”ファー(遠い)”は長く長く走った先)
Sew, a needle pulling thread (”ソー(裁縫)”は糸を引く針)
La, a note to follow sew (”ラ”は”ソ”の次の音)
Tea, a drink with jam and bread (”ティー(紅茶)”はジャムやパンと一緒に飲む)

That will bring us back to Doe (そうしたらまたドに戻りましょう!) *カッコ内はやや直訳と意訳の中間です。


と、結構違うことに驚かされますね!



ここで皆さんお気づきの通り、『ティーってなんだ!』問題が浮上します。


これを説明すると文章がさらに長くなってしまうのですが、敢えてトライしますと…。


19世紀、イギリスの音楽教育では、メロディーをドレミで歌う、いわゆるソルフェージュを発展させて、ド#やラ#など、口で言うと長くなってしまう音も、一言で言い表せるようにしようと試みたそうなんです。


それが、『Dohド Deディ Rayレ Reリ Meミ Fahファ Feフィ Sohソ Seスィ Laラ Leリ Teティ Dohド… 』


というシステムなんですが、この方式を採用する際、元々の「ソ=Sol」と「シ=Si」が同じサ行で被ってしまうため、致し方なく「シ→ティ」と変更したのですが、その変化形がそのままアメリカに伝わり、現在に至るということらしいのです。


さて、明日はこの曲を、生徒たちの演奏に合わせて、ご来場の皆様に歌っていただこう!と思っております。皆様、是非ご唱和ください!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

日立システムズホール仙台 コンサート・ホール

入場無料 全席自由 

未就学児も入場可能です!

チラシはこちらを。
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2015年03月14日

音楽の世界遺産

さて、本番まであと2日と迫りました!

3月15日(日)は、皆さんで日立システムズホール仙台へ!



本日は、プログラム終盤に演奏されます弦楽合奏、モーツァルトのディヴェルティメント ヘ長調 K.138の解説です。


「弦楽合奏」と申しますのは、簡単に言えば、弦楽器だけのオーケストラです。

英語ではString Orchestraとか、単にStringsなどと言うみたいです。


私たちのような弦楽器の音楽教室では、段々と力の付いてきた中・上級生の皆さんで、アンサンブルや弦楽合奏を組むことが良くございます。


そのような、アンサンブル初心者に向けて良く使われる教材、というか曲目の2トップが、先日ここに書きましたヴィヴァルディの作品3 『調和の霊感』全12曲と、このモーツァルトのディヴェルティメント K.136、137、138の3曲です。


ヴィヴァルディの方が、独奏楽器を伴うアンサンブルなのに対し、こちらのモーツァルトの方は独奏パートを持たない弦楽オーケストラのための楽曲ですので、どちらもそれぞれ入門者にとって非常に勉強になります!


と、言っておきながら、実はこのディヴェルティメントは『弦楽四重奏』のために書かれたのか、『弦楽オーケストラ』のために書かれたのか、定かではないようです。


『四重奏』であれば、1パート1人で演奏することが前提となります。CDなどの録音も、どちらも数多くあるようですが、演奏効果もそれぞれに素晴らしく、果たしてモーツァルトはどちらを念頭に置いていたのか、音楽学者の間で意見が分かれるのも当然です。

というより、どちらも可能なのでしょう!



神童モーツァルトは、1768年から1771年にかけて、1回目の大規模なイタリア旅行を行いました。生まれたのが1756年ですから、12歳から15歳くらいの間ですね。

この間、当時の音楽の最先端を行くイタリアの各地で演奏や自作の音楽を披露し、現地のあらゆる音楽様式を見聞きし、作曲家たちと交流し、作曲法や言葉を学び、どんどんと音楽的な財産を内に蓄えていったのでした。


そうして華やかな大旅行から地元のザルツブルクに戻ると、モーツァルトはとんでもない傑作を次々に生み出して行きます。


不遇に感じていたザルツブルクでの自分の扱いを、優れた作品で見返してやろう!としたのかも知れません。



そんな中、16歳で完成させたのがK.136、137、138の3曲です。


「ディヴェルティメント」は、日本語では「喜遊曲」と訳されます。

純粋に楽しむための曲ということですね。

聴いていても、弾いていても、本当に喜びの絶えない曲です。


特に第2楽章は、少年期の純粋さのみが生み出し得る、一つの奇跡と言えるでしょう。


K.136に隠れて日陰にいるようですが、137、138も珠玉なんです。



スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

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2015年03月13日

バルトーーク

すみません、ここ数日力尽きておりました…が、今日は頑張ります!

3月15日は、皆さんで日立システムズホール仙台へ!


本日は、やはり後半の1曲、バルトーク作曲の”ルーマニア民俗舞踊”をお届け致します。


バルトークは1881年生まれ、1945年没ですからほぼ20世紀の作曲家です。

ピアニスト、作曲家として活躍しましたが、もう一つの大きな肩書は、故郷であるハンガリーを中心に東欧の民俗音楽を収集・整理する、『民俗音楽研究家』というものでした。


当時、最新の発明品の一つであった「録音機」を駆使し、時代の流れとともに失われつつあった東欧各地方の民謡やダンス音楽などを録音採集しては記譜して保存したり、自身の曲にその要素を取り入れたりすることで、後世にその痕跡を伝えたりしたのです。


その数ある成果の一つが、今回演奏致します、『ルーマニア民俗舞踊』です。


これは、おそらく全てのバルトーク音楽の中でも、最も親しみやすく、最も演奏機会の多い曲でしょうから、少なくともその一部は耳にしたことのある方も多いことと思います。


元来はピアノ独奏用の曲ですが、バルトーク自身がオーケストラ用に編曲している他、弦楽合奏用やブラスバンド用にもアレンジされています。今回お聞かせ致しますのは、友人だったゾルタン・セーケイの編曲による、ヴァイオリンとピアノのためのバージョンです。


全体は6曲の短いダンスからなる小組曲で、それぞれに、

1. 棒踊り
2. 飾り帯の踊り
3. 足踏み踊り
4. 角笛踊り
5. ルーマニア風ポルカ
6. 速い踊り

という小タイトルが付けられています。

特に5番をお聴きになったことのある方が多いはずです!


僕は以前、NHKの坂本龍一さんの番組で、1番・棒踊りの原曲、というよりバルトーク自身が録音したものが放送されたものを聞いたことがあるのですが、驚くほど「そのまんま!」でした!


ちなみにセーケイという人は、バルトークから、ヴァイオリンとオーケストラのためのラプソディ第2番、ヴァイオリン協奏曲 第2番の2曲をもらっています。どちらも大変な傑作です!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

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2015年03月07日

父の教え給えし曲

3月15日は皆様、日立システムズホール仙台へ!


本日は昨日に引き続いて後半の曲から、ドヴォルザークのソナチネ ト長調 作品100より第4楽章の解説です。


ドヴォルザークはヴァイオリン曲を色々と書いているのですが、ちょっとご紹介致しますと、

・ ロマンス ヘ短調 作品11
・ バラード ニ短調 作品15の1
・ ノクターン ロ長調 作品40
・ マズルカ ホ短調 作品49
・ ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53
・ ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 作品57
・ 4つのロマンティックな小品 作品75b
・ ヴァイオリン・ソナチネ ト長調 作品100

というのが僕の知っているところです。この他にもあるかも知れませんが、以上が主たる部分であることには変わりないでしょう。


いかがでしょうか?曲名を見ただけでメロディーが頭に浮かぶものがございましたでしょうか?


ロマンス、協奏曲、4つのロマンティックな小品、そしてこのソナチネが演奏や録音の頻度が高いかな、と思います。


「ん?ユーモレスクはどうしたのかな?」


と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、ヴァイオリン曲のレパートリーとして非常に有名なユーモレスクは、もともとピアノ曲で、現在良く演奏されているのはハイフェッツやクライスラーといった大ヴァイオリニスト達がヴァイオリン用にアレンジしたものです。


上に挙げたものは全て作曲家のオリジナル作品ですが、実際はアレンジものの方が有名です。


このほかにも、「我が母の教え給えし歌」なども良く演奏されますが、こちらもクライスラーの編曲です。



さて、ソナチネに話を移しますが(やっとかい!)、この曲はドヴォルザークが自分の子供たちのために書いた曲だそうです。


子供たちのその時々の能力に合わせて、こんな素敵な曲をプレゼント出来るなんて、なんと素晴らしい!


御承知のとおり、ドヴォルザークはその50代前半をアメリカで過ごしますが、このソナチネはそのアメリカ時代に書かれたものです。


メロディーの中に、アメリカの民族的な節回しが聞こえてくるのがきっとお分かりいただけると思います。



今回演奏するのは快活な4楽章のみですが、2楽章も本当に心に沁みる名曲です。

こちらも機会がございましたら是非!(いつものパターンで締め。)


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

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2015年03月06日

みんなの古い友人

3月15日の支部合同演奏会、本日の解説はコンサート後半に演奏されます、ヴィヴァルディの1曲です。


先日解説した「a-moll」と同じ「作品3”調和の霊感”」に収められております、

2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 作品3−11 第1楽章

がそれです!


本当にヴィヴァルディの作品3という曲集はヴァイオリン弾きにとっては大切な存在で、ある種「宝箱」とも言える程のものなんです。


少しずつ演奏能力が高まってきて、小品から協奏曲にチャレンジする時、あるいはさらに勉強が進んでアンサンブルへとトライする時など、いつもこの曲集を通ります。


ですから、作品3を「竹馬の友」として心の奥に大切にしまっているプロの演奏家も世界中に多いのでは?と想像します。


で、今回演奏致します第11番ですが、これはヴィヴァルディの協奏曲全体を通してみても、屈指の傑作です。


2人のソリストが競い合うようにメロディーを模倣しながら互いを高め合うイントロダクションに続き、チェロ(今回はピアノが代わりを務めます)が独奏を引き継いでその低音を深く響かせて導入部にピリオドを打ち、次にハーモニーだけで展開される短い中間部が一旦聴衆の心を惑わし、最後に格調高い厳格で長大な4声のフーガが曲を崇高に締めくくります。


独奏協奏曲にフーガを持ち込む手法はヴィヴァルディとしては珍しいのですが、フーガの中に独奏者の見せ場を非常にうまく織り交ぜた見事な出来栄えです。


この手のものをもっとたくさん書いていれば、ヴィヴァルディの今日の評価はまた違ったものになっていたかも知れません!


ちなみにフーガとは何かをごくごく簡単に説明いたしますと、あるメロディーをテーマとして、それを色々なパートが繰り返し受け渡しながら音楽を展開していく作曲法で、J.S.バッハが最も得意としたことでも知られています。


ついでながら、もしかするとバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」も、この曲に触発されて書かれた可能性も無いとは言えません!(実際にこの曲は編曲してはいないものの、バッハはかなりの数のヴィヴァルディの曲をチェンバロ用に編曲し、イタリアの協奏曲様式を勉強しました。)


今回は残念ながら演奏しませんが、2楽章、3楽章も名曲です。特に第2楽章は、「シチリアーノ」として独立して演奏される機会も多いです。


機会がありましたら是非!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

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2015年03月03日

番号はおまけということで

3月15日の支部合同演奏会、本日は5曲目の解説です!


メヌエット 第1番という曲です。


私たちスズキ・メソードで使っております指導曲集 第1巻には、メヌエットが3曲出てまいります。


3曲とも耳なじみのある、「知ってる知ってる!」というおなじみの曲ばかりです。


どれもト長調ですし、一応全てバッハ作曲で、同じメヌエットという題名では扱い辛いので、便宜的に、1番・2番・3番と番号が振ってあります。


決して作曲家が付けた番号ではございませんので、一般には全く通用しない番号です。悪しからず。



さて、この曲は一応バッハの曲ということになっておりますが、実はまだ真偽のほどは定かではありません。


序曲 ト短調 BWV822という組曲の中に収められているのですが、まずこの組曲自体、純粋なバッハの作品かどうかは諸説あるところで、内容的にバッハの曲としては稚拙すぎるのことから、他者のオーケストラ曲などを鍵盤楽器用に編曲したものではないか、というのがもっぱらの見解のようです。


このメヌエットは組曲の第5曲目に当たります(ちなみに第3曲目は、指導曲集 第3巻の「ガヴォット ト短調」です)。


それで、メヌエットの作りとして良くあるパターンとして、


メヌエット@ − メヌエットA − メヌエット@ (メヌエットAは”トリオ”とも言われます)

もしくは、

メヌエット@ − メヌエットA − メヌエット@ − メヌエットB − メヌエット@


なんていうのがございますが、私たちが今回演奏する「メヌエット 第1番」は、上の表における メヌエットBの部分に当たるんです。つまり、長いメヌエットのごく一部なんですね!しかも3番目…。


…もうこうなってくると、第1番だか3番だか、訳がわかりません!


ですから、ひとまず番号は「おまけ」ということでお願い致します!



そうそう、指導曲集 第1巻のメヌエットは3曲とも「バッハ」作曲となっていると書きましたが、残りの2曲も、音楽学者たちの間ではバッハのものではない(第3番はペッツォルトという作曲家のもの)ということになっております。こちらも悪しからずです!



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2015年03月02日

妖精は魔女を兼ねる?

3月15日の支部合同演奏会プログラム解説、本日は4曲目です。


パガニーニ作曲の「妖精の踊り」のテーマなのですが、これがまた色々とツッコミどころがある曲なんですよね。


まず、この「妖精」という訳語ですが、原語のLa streghe(伊語)は「魔女達」の意味です。


「魔女」とするとイメージが悪かったのでしょうか、この曲は昔から「妖精」と訳されている場合が多かったように思います。


これがツッコミその1。


それから作曲者パガニーニという扱いですが、これにもちょっと問題があり?ます。


このパガニーニという人は歴史上最大のヴァイオリニストと言われる伝説の演奏家で、たくさんの興味深いエピソードが残っていますが(それらはまた別の機会に譲るとして)、自身のレパートリーのほとんどは超絶技巧を擁する難曲ばかりでした。


1から全て自分で作曲する曲もさることながら、パガニーニは、巷で人気を博していたオペラのアリアやバレエ音楽など、当時誰でも知っているポピュラーなメロディーを段々と変化させていく「変奏曲」というジャンルも大変得意としていました。


最初にみんなが知っているメロディーを「テーマ」として演奏し、その後そのテーマをもじった「ヴァリエーション(=変奏)」をいくつか演奏して、盛り上がって終了!というパターンです。


今回演奏する「妖精の踊り」も、テーマ部分は実は他の作曲家のものなんです。


フランツ・クサヴァー・ジュスマイアーという作曲家がその人で、現在ではほぼ忘れ去られた存在ですが、この名前に「あぁ!あの!?」と思われた方は、なかなかの音楽通です!


ジュスマイアーは、あのモーツァルトの有名な「レクイエム」を補筆・完成させた人物として知られています。


他にも、モーツァルト最晩年にはアシスタントとして「魔笛」や「皇帝ティートの慈悲」などの成立に力を貸したと言われています。


そのジュスマイアーが作曲したバレエ音楽「べネヴェントの胡桃の木(Il noce di Benevento)」のなかに登場する曲が、この「妖精の踊り」のテーマなんです。


…ちょっとまてよ、テーマはもともとジュスマイアーの作曲でしょ!じゃあこの「パガニーニ作曲」っていうのは一体…。


でもやはりパガニーニのおかげで、こうして今我々が彼の音楽を楽しむことが出来るのですから、ジュスマイアーには少しお認めいただきましょう!


これがツッコミその2。


今回演奏されない「妖精の踊り」のテーマ以外の部分、つまりイントロダクションや変奏部にはパガニーニの魅力がふんだんに詰まっています。


まだお聴きになったことのない方は、こちらの方もいつか是非!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

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