2009年07月31日

コロコロと

モーツァルト、と言わず古典派全体を代表しているような曲といえば、ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545ですが、個人的に最もモーツァルトらしさを味わえる曲は、同じピアノ・ソナタ ハ長調でも、K.330だと思うのです。

モーツァルトの音楽は本当に面白い。

表情の変わり方が半端なく、1小節ごとにコロコロと変化していきます。

今笑ったかと思えば、今度は重苦しくなり、涙を一瞬見せたかと思えば、急に周囲を驚かせ、それに皆が騙されたことを楽しんでいる…。これが1小節、半拍ごとに訪れるんです。

また、単純な繰り返しはしないで、いつも次々と同じフレーズに手を加える…もしもモーツァルト本人が目の前で演奏してくれていたら、即興演奏としか思えないでしょう。サービス精神が本当に旺盛で、聴く者を常に喜ばせようとしています。

そんな特徴がふんだんに出ているのが、K.330なんです。特に第1楽章はモーツァルトの権化のような曲と言えます。

しかし、それも、彼の多様な音楽性の一部に過ぎない…モーツァルトの音楽は、「分かりやすい」音楽の代表のようでありながら、知れば知るほど実に奥が深い。


モーツァルトの弦楽器のための曲に関しては、また是非別の機会に書きたいと思います。

飯塚
posted by suzukimethod at 23:50| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする