皆さまご承知の通り、今年、2010年はショパンとシューマンの生誕200年記念の年です。
本日はシューマンについて書いてみます。
ショパンはもちろん、シューマンもピアノ曲を数多く作りました。
本人自身もピアニストを目指していましたが、手の故障により断念、その後は妻でもあり、当時最高のピアニストの一人でもあったクララ・シューマンのために、数々の名曲を残しました。
とはいえ、シューマンの曲はちょっと地味めといいますか、哀愁を帯びているといいますか、認知度もそれほど高くはないように思われます。
たとえば誰でも聴いたことがあるほどの有名なものが、『トロイメライ』か、頑張って『楽しき農夫』といったところですよね。
そもそも、シューマンや、一つ年上のメンデルスゾーンといった作曲家たちは、一方で超絶技巧を駆使した作品や演奏家たちを称賛しつつ、他方において、自分たちは「技巧のための技巧」に終わるような曲は書かないというモットーがあったようです。
その信念が、シューマンの曲の中には貫かれていると感じます。
技術的にはかなり高度なものが要求されていながらも、聴衆はその技術の高さに対してではなく、音楽そのものに称賛を贈ることになる。
そうした曲作りへの姿勢が、シューマンの音楽をシューマンの音楽たらしめているように思われてなりません。
そして、そこがまたたまらなく良いんです!
ちなみに個人的に非常に好きなのは、『ウィーンの謝肉祭の道化』という曲です。あまり演奏頻度が高くないように思われるのですが、気のせいでしょうか?
もしそうなら、ピアニストの皆さま、このシューマン・イヤーには是非、お聞かせ下さい!
飯塚
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