2021年03月26日

花は咲く

東日本大震災から早10年が過ぎました。

この機会に改めて街を眺めてみると、まだまだ「復興途中」の景色がこんなにも多いことに気が付きます。

一番復興が進んでいるであろう仙台ですらこうなのですから、沿岸地域や、原発付近の地域に至ってはさぞかしと、思いを巡らさずにはいられません。


現在、飯塚クラスには、震災と同じ10歳になる子が通ってきてくれています。

「Mちゃん」と呼びますが、海を愛でる素敵なお名前です。

震災の2週間前に生まれたMちゃんとお母さんは、お父さんのご実家のある「野々島」で産後の療養と子育てを兼ねて過ごしていたところ、あの津波に遭遇してしまいました。


塩釜の沖合い、浦戸諸島にある野々島は、実は震災の前年まで、仙台支部が秋の恒例行事としている芋煮会の会場として毎年お邪魔していた場所でした。

塩釜の桟橋、マリンゲートから船に乗って島々をめぐり、途中うみねこ達にスナック菓子をやりながら(現在は禁止だそうです)30分ほどで野々島に到着、桟橋近くにコミュニティセンターのような場所があり、そこのホールで生徒さんと指導者はグループレッスンを、保護者の皆さんには隣の調理室で宮城風・山形風の芋煮やカレーなどを作って頂き、レッスン後にみんなでお腹いっぱい美味しく頂いて、食後は島を散策して海の景色を堪能し、また船に乗って爽やかな風を受け塩釜まで戻る、というのがお決まりのコースでした。

当時参加して下さった皆さんには、一様に美しく楽しい思い出として心に残っていることと思います。


その野々島が、被災しました。

当時53戸あった家屋が、3戸を除き全て流されてしまったとのことです。


地震の直後、ご実家にいらしたお母さんとMちゃんは、ただならぬ揺れの大きさから津波を予見してすぐに迎えにいらしたお爺ちゃんに急かされるようにして車に乗り、高台に避難したことで無事でした。

その高台にある浦戸小学校が避難所となり、そこから窮屈な生活がしばらく続いたと言います。

本来であれば、当然新生児は「夜泣き」の時期です。周りへのご迷惑にならないかとお母さんは心配されたそうですが、しかしながらMちゃんは、家族以外の方々も一緒に生活しなければならないその状況を察してか、不思議と夜泣きせずに過ごしたと言います。

陸続きの地域でさえ、物資やライフラインの復旧にはそれなりの時間を要したあの時期、島の環境が整うまではどれ程の期間が必要だったでしょうか。

そもそも商店の少ない島には、おそらく生活必需品のストックが元から乏しかったに違いありませんし、救援物資が届くのもスムースにはいかなかったでしょう。

しかもあの時は非常に寒かった。周囲が海に囲まれていては、ことさらだったことが想像されます。

そんなネガティブなことで覆われた中、Mちゃんの存在は、野々島の皆さんには癒しとなり、未来への希望となっていたのかも知れません。赤ちゃんの放つ生命力の輝きは、周囲へも不思議と伝搬することを、誰しも経験しています。

皆さんMちゃんのことを気にかけてくださり、赤ちゃんの存在を喜んでくれたばかりか、ただでさえ少ない支援物資の中から、貴重な飲み水を、Mちゃんのお風呂用にと、次々惜しげもなく分けて下さったそうです。

支援を受ける立場の方々が、さらに見せた、助け合う心。

災害に対する物理的・精神的備えはもちろんのことですが、こうした互いを支え合う気持ちも、同時に心の中に用意しておかなければいけないのだと、教えられます。


そして、10年が過ぎました。

震災後、Mちゃんは仙台に移り、週末はいつも野々島で過ごし、自然や人々に育まれて大きくなりました。

葉加瀬太郎さんが大好きなお母さんの影響もあり、Mちゃんはあこがれだったヴァイオリンを2年生の終わりから始めました。

「皆さんのおかげでこんなに大きくなりました」という感謝の気持ちを伝えたくて、Mちゃんはヴァイオリンのミニ・コンサートを企画し、3月6日に開催しました。

少しずつ、島の復興は進んではいるものの、震災以前のようになることはとても難しいようです。

お爺ちゃんの家は奇跡的に残った3件のうちの1件でしたが、流されてしまった他の家々は、あの時でさえ高齢の皆さんがお住まいでらしたので、そこからまた資金を調達してまでの建て替えには当然至らず、現在では仮説住宅からアパート暮らしに切り替えられたという方々が大半だそうです。

その、アパートに囲まれたスペースで、Mちゃんは演奏しました。

島の皆さんもとても喜んで下さり、次々に声を掛けて下さったり、「あの時の赤ちゃんが‥」と涙を流された方々もいらっしゃったそうです。

今のMちゃんに出来る、心のこもった最高の御返しだと思います。


仙台支部は、あれ以来、野々島にはお邪魔していません。

あのころ道々咲いていた花々は、塩害のためか、見かけなくなってしまったそうです。


しかし、Mちゃんの存在は、野々島が育てた一輪の「花」なのかもしれません。

いや、きっとまだ「つぼみ」で、これからもっと大輪の花を咲かせてくれることでしょう。



コロナ禍で、まだ気軽に島にはお邪魔出来ない状況下、昨今の地震の頻発にも、まだ心を悩ませなければならない様です。

8月14日の野々島花火大会が、今年も無事に開催され、島にまた元の賑わいが溢れると良いな、と思います。

飯塚
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2019年05月28日

令和最初の無料見学・体験会は6月!

無料見学・体験会の第2回目の開催日が決まりました!


今回は、6月16日(日)に、

ヴァイオリン科・チェロ科とも、南北線台原駅近くにございます、

(仙台市青葉区台原森林公園1番3号 地下鉄台原駅南1出口近く)
にて開催いたします。


時間は、まずはチェロ科が

14:30から15:30まで

ヴァイオリン科が

15:30から16:30までです。


参加ご希望の方は、以下のアドレスに、

お名前
お子様の場合、年齢とおおよその身長
ご連絡先

をお書き添えの上、メールかお電話にてお申し込みください。

大人の方のご参加、親子でのご参加なども大歓迎です!

またチェロ、ヴァイオリンと続けて両方に参加されることも可能です。

チェロ科
nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp(平澤)
022-222-4255

ヴァイオリン科
stmatthewbwv244@gmail.com(飯塚)
080-5732-3838

※両方参加希望の場合は平澤までご連絡ください。

尚、今回もヴァイオリン科、チェロ科それぞれ5名〜8名程度の募集とさせて頂きますので、万が一定員になりましたらお断りする場合もございます。どうぞご了承下さい。


それと会場となります台原コミュニティ・センターですが、同じ建物を台原老人福祉センターと共有しております。

正面入り口の、右がコミュニティ・センター、左が老人福祉センターですので、お越しの際はどうぞお気を付け下さい!


では、今回も沢山のご応募、お待ち致しております!

飯塚
ラベル:お知らせ 体験会
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2019年04月15日

4月の無料体験会のお知らせ

今年も、スズキ・メソード仙台支部では無料体験会を開催して参ることとなりました!


第1回目は、

4月21日(日)

午前10:30から11:30


ヴァイオリン科:

二日町教室
(仙台市青葉区二日町13-22カルコスビル808)
stmatthewbwv244@gmail.com
080-5732-3838

チェロ科:

北一教室
(仙台市青葉区上杉1-4-8宮ハイ上杉ビル3F)
nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp
022-222-4255

にて行います。

参加ご希望の方は、上記アドレスに、

お名前
お子様の場合、年齢とおおよその身長
ご連絡先

をお書き添えの上、メールにてお申し込みください。

大人の方のご参加、親子でのご参加なども大歓迎です!

尚、今回はヴァイオリン科、チェロ科それぞれ5名〜8名程度の募集とさせて頂きますので、万が一定員になりましたらお断りする場合もございますのでどうぞご了承下さい。

では、沢山のご参加、お待ち致しております!

飯塚
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2018年09月21日

9月の見学・体験会のお知らせ

今年3回目の無料体験・見学会を開催いたします!


今回も、ヴァイオリン科とチェロ科のみとなります。


日時:9月30日(日)午前10時より


場所:≪ヴァイオリン≫ 二日町教室
   
   仙台市青葉区二日町13−22
   カルコスビル808

   ≪チェロ≫ 北一教室
   
   仙台市青葉区上杉1丁目4-8 
   宮ハイ上杉ビル3F


内容
まず、まだ楽器を持って間もない生徒さんたちのグループレッスンの様子をご見学いただきます。

そのままそこに混ざってご覧頂いたままのレッスンを実際に楽器を持って体験して頂いた後、スズキ・メソードの簡単な説明などもさせて頂きます。


前回まで同様、お子様に限らず、大人・シニアの方々も大大大歓迎です!


申込方法
こちらで楽器をご用意致します都合上、参加ご希望の場合はメールもしくはお電話でのご予約をお願いいたします。

メールには

・お名前
・希望楽器:ヴァイオリン/チェロ
・お子様の場合、年齢
・おおよその身長(体験用の楽器サイズの参考にさせて頂きます)

を、お書き添え下さい。

アドレスは、

nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp  022-222-4255(平澤)、もしくは

stmatthewbwv244@gmail.com 080-5732-3838(飯塚)まで。

会場の都合上、定員になり次第締め切らせて頂きますので、ご予約はお早めに!
もしお気づきになったのが直前でしたら当日のご予約でもかまいませんので、その場合は飯塚までお電話下さい!


どしどしご応募お待ちいたしております。


飯塚

9月体験会チラシ.jpg
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2018年06月10日

1ヶ月を経て

早いもので、今日6月10日で中塚先生がお亡くなりになって1ヶ月が過ぎました。


スズキ仙台支部を1からお作り下さった先生の行動力を改めて考えてみますと、これは本当に偉大なものだな、と再認識いたします。


行動を起こさなければ、何も生み出されないし、変化もない。


皆が判っているようでいて、実際、人は『現状維持』を望んでしまいます。


これもよく言われることですが、世の中がどんどん変わりゆく中で、『現状(これまでと同じ状態)』を『維持(今後も変わらず保ち続ける)』していくためには、変化に対応、アジャストしていかなければなりません。

対応しなければ維持したくとも、衰退してしまいます。


中塚先生のスピリットを失わず、仙台支部も進み続けなければなりません。


先生、これからもお見守りください。


飯塚
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6月の体験・見学会のお知らせ

お知らせです!


さて、3月に引き続きまして、6月も無料体験・見学会を開催いたします!

今回は、ヴァイオリン科とチェロ科のみとなります。


日時:6月17日(日)午後1時より

場所:日立システムズホール仙台(旧・仙台市青年文化センター)

   地下練習室1


体験・見学会は午後1時から1時間ほどの予定ですが、まだ楽器を持って間もない生徒さんたちのレッスンの様子をご見学いただき、そのままそこに混ざって体験していただく他、スズキ・メソードの簡単な説明などもさせて頂きます。


その後2時からは仙台支部の生徒さんたちのグループレッスンが引き続き行われますので、そのままそちらもご見学頂けます。

お時間に余裕がおありでしたら、是非どうぞ!


3月同様、お子様に限らず、大人の方々も大大歓迎です!



また、前回同様、こちらで楽器をご用意致します都合上、参加ご希望の場合はメールでのご予約をお願いいたします。

アドレスは、

nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp  022-222-4255(平澤)、もしくは

stmatthewbwv244@gmail.com 022-265-9568(飯塚)まで。

ご予約はお早めに(もしお気づきになったのが直前でしたら当日、直前でもかまいません)!

また体験される方がお子さまの場合、ご予約メールには年齢もしくはおおよその身長をお書き添えください。


どしどしご応募お待ちいたしております。


飯塚


   

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2018年03月24日

演奏会のお知らせ・その2

先日の『照井・佐々木クラス合同演奏会』にご来場くださった皆様、お忙しい中わざわざお運びいただき、誠にありがとうございました!


さて、仙台支部の演奏会第2弾は、『北一教室 演奏会』です。


『照井・佐々木クラス演奏会』には日程の都合などで残念ながらご来場が叶わなかった皆様も、是非お誘いあわせの上お越しください!


日時 2018年4月8日(日)午後1時30分開演


会場 仙台市太白区文化センター・楽楽楽ホール



もちろんこちらも入場無料です!


当然小さなお子様も入場可能です!



主なプログラムは、


1.ヴァイオリンとチェロの2部合奏

  ブーレ(ヘンデル)


2.ヴァイオリン斉奏

  タンブラン(グレトリー)
  ソナタ 第4番 ニ長調 第1・第2楽章(ヘンデル)


3.チェロ斉奏

  アリオーソ(バッハ)
  ユーモレスク(ドヴォルザーク)


4.クラス別(進度別)演奏

  リズム科生徒(新入生)のご挨拶
  リゴードン(パーセル)
  信濃なる千曲の河の(鈴木鎮一)
  カッコウ(ダカン)
  子守唄(シューベルト)


5.弦楽合奏

  ヴァイオリン協奏曲 作品8−1『春』(ヴィヴァルディ)


6.ご来場の皆さんの歌、生徒の弦楽で

  花のまわりで


他です。一部しかご紹介できず申し訳ありません!

あとは会場でお楽しみください!


やはり何と言ってもヴァイオリン科とチェロ科の演奏が両方とも楽しめるのが、北一教室最大の特徴ですね。


この演奏会のお問い合わせ先は

022-263-8857(北一教室)

022-525-2834(井上・チェロ科)

まで。


たくさんの皆様のご来場、お待ちいたしております!



飯塚
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2018年03月08日

演奏会のお知らせ・その1

春と言えば、演奏会の多い季節でもございます。

仙台支部では毎年、照井・佐々木クラスがその年の演奏会の幕開けを飾ります。


日時 2018年3月21日(水・春分の日)午後1時30分開演

会場 仙台市若林区文化センター


もちろん入場無料です!

小さなお子様も入場可能です!


主なプログラムは、

1. 斉奏

 ソナタ ト短調 第1・第2楽章(エックレス)
 ソナタ 第3番 ヘ長調 第1・第2楽章(ヘンデル)
 協奏曲 イ短調 第1楽章(ヴィヴァルディ)
 ガヴォット(ゴセック)
 キラキラ星 変奏曲(鈴木鎮一)

2.小さな生徒たちのごあいさつ

3.日本の歌より

 ふるさと
 花
 早春賦
 浜辺の歌

4.二部合奏

 子守唄
 二つのヴァイオリンのための協奏曲

他です。


こちらの演奏会のお問い合わせは

022-221-1835(照井)
022-233-6014(佐々木)

まで。


生徒さんたちの成長ぶりを是非ともご来聴ください!


飯塚
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2018年03月06日

見学・体験レッスン・キャンペーンのお知らせ

さて!

スズキ・メソードではこの3月に、全国一斉見学・体験レッスン・キャンペーンを開催いたします!

仙台支部でもピアノ、ヴァイオリン、チェロ各科を以下の日程で行います。

ピアノ科

3月6日(火)14:30〜18:00
仙台市泉区将監7-10-13 菅野 由美 教室
yumi.kanno0816@gmail.com  022-773-0390 (要予約・見学のみ)

3月7日(水)14:30〜17:00
仙台市泉区将監7-10-13 菅野 由美 教室
yumi.kanno0816@gmail.com  022-773-0390 (要予約・見学のみ)

3月8日(木)15:30〜17:00
仙台市泉区将監7-10-13 菅野 由美 教室
yumi.kanno0816@gmail.com  022-773-0390 (要予約・見学のみ)

3月10日(土)10:00〜10:30(見学) 10:30〜11:00(体験)
仙台市宮城野区田子1-12-8 齋藤 好子 教室
info@saito-piano.net 022-258-0132 (要予約)


ヴァイオリン科

3月10日(土)13:30〜15:00(グループレッスン見学・体験)
仙台市青葉区二日町13-22 カルコスビル808 二日町教室 担当:平澤・飯塚
stmatthewbwv244@gmail.com 022-265-9568 (要予約)

3月28日(水)16:00〜17:30(グループレッスン見学・体験)
仙台市青葉区上杉1-4-8 宮ハイビル3F 16:00〜17:30 担当:平澤・飯塚
nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp 022-222-4255(要予約)

10日と28日は同内容です。二度とも参加していただいても構いません!


チェロ科

3月28日(水)16:00〜17:30(グループレッスン見学・体験)
仙台市青葉区上杉1-4-8 宮ハイビル3F 16:00〜17:30 担当:井上
nakatsuu@mui.biglobe.ne.jp 022-222-4255(要予約)




大人もお子さんも初心者の方大歓迎です。

短い時間ですが、スズキのエッセンスを少し体験して頂ければと思います。


ご予約はお早めに(もしお気づきになったのが直前でしたら当日、直前でもかまいません)!

また体験される方がお子さまの場合、こちらで楽器をご用意致します都合上、ヴァイオリン科とチェロ科へのご予約メールには年齢もしくはおおよその身長をお書き添えください。

もちろん大人の方も大歓迎です!


どしどしご応募お待ちいたしております!

体験会チラシ2018.pdf

飯塚

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2017年05月30日

早野会長講演会について

スズキ・メソードの現在の会長は、早野龍五先生です。


その早野会長が来仙し、7月16日(日)午後1時半から、日立システムズホール仙台(旭ヶ丘・青年文化センター)内、エッグホールにて講演会を行います!入場料は300円です。


この講演会はスズキ・メソードの会員以外の皆様もお聴きいただけます。


講演内容はまだ未定ですが、ご自身の豊富な知識や経験から繰り出されるお話しの数々は、きっと大変興味深いものになるでしょう!


と、ここまでお話しして、早野龍五会長のことをご存じない方!のために、明日から少しずつご紹介致したいと思います。


早野会長を知れば知るほど、講演が聴きたくなりますよ!

飯塚
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2015年03月23日

2倍おいしく

速いもので、15日の支部合同演奏会からアッという間に1週間が経過してしまいました!


すっかり遅くなってしまいましたが、本番当日、会場まで来て下さった皆様、また出演してくれた生徒の皆さん、裏方として当日たくさんの汗を流してくださった係りの皆さん、そしてご自宅でお子様方を励ましながら笑顔で会場に送り出してくださった全ての保護者の皆さんに、この場を借りて心から感謝を申し上げます!

本当にありがとうございました!


コンサート当日は、個人的には色々と小ハプニングがございました。


指揮中に、顔に汗をかきすぎて、メガネが何度も何度もずり落ちそうに、いや飛びそうになったこと。

弦楽合奏の指揮中に、指揮棒を譜面台にぶつけ、あやうく吹っ飛びそうになったこと。

その弦楽合奏の演奏が終了しても、全く拍手がなく焦ったこと(これは僕がプログラムに楽章がいくつあるかを書かなかったことが原因です!)。


しかし、一番のハプニングは、演奏会の翌日、健康診断を控えた佐々木先生が、当日用意されたお弁当を召し上がれないとのことで、急遽2人分のお昼を頂くことになったこと!


これはかなりお腹がパンパンになりました!


ズボンがはじけるか!という勢い!


もしや、これにより代謝が良くなりすぎて、異常に顔に汗をかいたのか!


しかし、お弁当の味は最高でした!

佐々木先生、ありがとうございました!

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2015年03月15日

紅茶はジャムパンとご一緒に

いよいよ本番が明日に迫ってまいりました!



明日3月15日(日)は、皆様お誘い合わせの上、是非日立システムズホール仙台へ!
(前日に今更ですが、旧仙台市青年文化センターです!)


さて、前日の今日は、コンサートのラストを飾る、ロジャースの『ドレミのうた』についてお話ししたいと思います。


もはや説明が不要なくらい有名で、歌えない人はいない程かとも思いますが、一応基本情報を押さえておきますと、まずこの曲は元々ミュージカル映画の金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われた曲である、ということです。


映画『サウンド・オブ・ミュージック』は、今年で制作50周年なのだそうです。
実は、私たちスズキ・メソード仙台支部が発足してから今年が60年目!ですので、これも何かの巡り合わせでしょうか!


『サウンド・オブ・ミュージック』といえば、この他にも、何故か日本人にとっては京都のテーマ音楽のようになってしまっている『私のお気に入り』などが挿入歌として大変ポピュラーですが、この2曲に関しては、もう映画を離れて独立したスタンダード・ナンバーになっていますね。



歌詞としては我々日本人にとって、ペギー葉山さんの訳詩以外にはあり得ないわけですが、原曲の英語の歌詞を見てみますと、


Do-Re-Mi(ドレミのうた)
Doe, a deer, a female deer (”ドー”は鹿、雌の鹿)
Ray, a drop of golden sun (”レイ(光線)”は黄金の太陽のしずく)
Me, a name I call myself (”ミー(私)”は自分を呼ぶときの言い方)
Far, a long, long way to run (”ファー(遠い)”は長く長く走った先)
Sew, a needle pulling thread (”ソー(裁縫)”は糸を引く針)
La, a note to follow sew (”ラ”は”ソ”の次の音)
Tea, a drink with jam and bread (”ティー(紅茶)”はジャムやパンと一緒に飲む)

That will bring us back to Doe (そうしたらまたドに戻りましょう!) *カッコ内はやや直訳と意訳の中間です。


と、結構違うことに驚かされますね!



ここで皆さんお気づきの通り、『ティーってなんだ!』問題が浮上します。


これを説明すると文章がさらに長くなってしまうのですが、敢えてトライしますと…。


19世紀、イギリスの音楽教育では、メロディーをドレミで歌う、いわゆるソルフェージュを発展させて、ド#やラ#など、口で言うと長くなってしまう音も、一言で言い表せるようにしようと試みたそうなんです。


それが、『Dohド Deディ Rayレ Reリ Meミ Fahファ Feフィ Sohソ Seスィ Laラ Leリ Teティ Dohド… 』


というシステムなんですが、この方式を採用する際、元々の「ソ=Sol」と「シ=Si」が同じサ行で被ってしまうため、致し方なく「シ→ティ」と変更したのですが、その変化形がそのままアメリカに伝わり、現在に至るということらしいのです。


さて、明日はこの曲を、生徒たちの演奏に合わせて、ご来場の皆様に歌っていただこう!と思っております。皆様、是非ご唱和ください!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

日立システムズホール仙台 コンサート・ホール

入場無料 全席自由 

未就学児も入場可能です!

チラシはこちらを。
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2015年03月14日

音楽の世界遺産

さて、本番まであと2日と迫りました!

3月15日(日)は、皆さんで日立システムズホール仙台へ!



本日は、プログラム終盤に演奏されます弦楽合奏、モーツァルトのディヴェルティメント ヘ長調 K.138の解説です。


「弦楽合奏」と申しますのは、簡単に言えば、弦楽器だけのオーケストラです。

英語ではString Orchestraとか、単にStringsなどと言うみたいです。


私たちのような弦楽器の音楽教室では、段々と力の付いてきた中・上級生の皆さんで、アンサンブルや弦楽合奏を組むことが良くございます。


そのような、アンサンブル初心者に向けて良く使われる教材、というか曲目の2トップが、先日ここに書きましたヴィヴァルディの作品3 『調和の霊感』全12曲と、このモーツァルトのディヴェルティメント K.136、137、138の3曲です。


ヴィヴァルディの方が、独奏楽器を伴うアンサンブルなのに対し、こちらのモーツァルトの方は独奏パートを持たない弦楽オーケストラのための楽曲ですので、どちらもそれぞれ入門者にとって非常に勉強になります!


と、言っておきながら、実はこのディヴェルティメントは『弦楽四重奏』のために書かれたのか、『弦楽オーケストラ』のために書かれたのか、定かではないようです。


『四重奏』であれば、1パート1人で演奏することが前提となります。CDなどの録音も、どちらも数多くあるようですが、演奏効果もそれぞれに素晴らしく、果たしてモーツァルトはどちらを念頭に置いていたのか、音楽学者の間で意見が分かれるのも当然です。

というより、どちらも可能なのでしょう!



神童モーツァルトは、1768年から1771年にかけて、1回目の大規模なイタリア旅行を行いました。生まれたのが1756年ですから、12歳から15歳くらいの間ですね。

この間、当時の音楽の最先端を行くイタリアの各地で演奏や自作の音楽を披露し、現地のあらゆる音楽様式を見聞きし、作曲家たちと交流し、作曲法や言葉を学び、どんどんと音楽的な財産を内に蓄えていったのでした。


そうして華やかな大旅行から地元のザルツブルクに戻ると、モーツァルトはとんでもない傑作を次々に生み出して行きます。


不遇に感じていたザルツブルクでの自分の扱いを、優れた作品で見返してやろう!としたのかも知れません。



そんな中、16歳で完成させたのがK.136、137、138の3曲です。


「ディヴェルティメント」は、日本語では「喜遊曲」と訳されます。

純粋に楽しむための曲ということですね。

聴いていても、弾いていても、本当に喜びの絶えない曲です。


特に第2楽章は、少年期の純粋さのみが生み出し得る、一つの奇跡と言えるでしょう。


K.136に隠れて日陰にいるようですが、137、138も珠玉なんです。



スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

日立システムズホール仙台 コンサート・ホール

入場無料 全席自由 

未就学児も入場可能です!

チラシはこちらを。

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2015年03月13日

バルトーーク

すみません、ここ数日力尽きておりました…が、今日は頑張ります!

3月15日は、皆さんで日立システムズホール仙台へ!


本日は、やはり後半の1曲、バルトーク作曲の”ルーマニア民俗舞踊”をお届け致します。


バルトークは1881年生まれ、1945年没ですからほぼ20世紀の作曲家です。

ピアニスト、作曲家として活躍しましたが、もう一つの大きな肩書は、故郷であるハンガリーを中心に東欧の民俗音楽を収集・整理する、『民俗音楽研究家』というものでした。


当時、最新の発明品の一つであった「録音機」を駆使し、時代の流れとともに失われつつあった東欧各地方の民謡やダンス音楽などを録音採集しては記譜して保存したり、自身の曲にその要素を取り入れたりすることで、後世にその痕跡を伝えたりしたのです。


その数ある成果の一つが、今回演奏致します、『ルーマニア民俗舞踊』です。


これは、おそらく全てのバルトーク音楽の中でも、最も親しみやすく、最も演奏機会の多い曲でしょうから、少なくともその一部は耳にしたことのある方も多いことと思います。


元来はピアノ独奏用の曲ですが、バルトーク自身がオーケストラ用に編曲している他、弦楽合奏用やブラスバンド用にもアレンジされています。今回お聞かせ致しますのは、友人だったゾルタン・セーケイの編曲による、ヴァイオリンとピアノのためのバージョンです。


全体は6曲の短いダンスからなる小組曲で、それぞれに、

1. 棒踊り
2. 飾り帯の踊り
3. 足踏み踊り
4. 角笛踊り
5. ルーマニア風ポルカ
6. 速い踊り

という小タイトルが付けられています。

特に5番をお聴きになったことのある方が多いはずです!


僕は以前、NHKの坂本龍一さんの番組で、1番・棒踊りの原曲、というよりバルトーク自身が録音したものが放送されたものを聞いたことがあるのですが、驚くほど「そのまんま!」でした!


ちなみにセーケイという人は、バルトークから、ヴァイオリンとオーケストラのためのラプソディ第2番、ヴァイオリン協奏曲 第2番の2曲をもらっています。どちらも大変な傑作です!


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

日立システムズホール仙台 コンサート・ホール

入場無料 全席自由 

未就学児も入場可能です!

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2015年03月07日

父の教え給えし曲

3月15日は皆様、日立システムズホール仙台へ!


本日は昨日に引き続いて後半の曲から、ドヴォルザークのソナチネ ト長調 作品100より第4楽章の解説です。


ドヴォルザークはヴァイオリン曲を色々と書いているのですが、ちょっとご紹介致しますと、

・ ロマンス ヘ短調 作品11
・ バラード ニ短調 作品15の1
・ ノクターン ロ長調 作品40
・ マズルカ ホ短調 作品49
・ ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53
・ ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 作品57
・ 4つのロマンティックな小品 作品75b
・ ヴァイオリン・ソナチネ ト長調 作品100

というのが僕の知っているところです。この他にもあるかも知れませんが、以上が主たる部分であることには変わりないでしょう。


いかがでしょうか?曲名を見ただけでメロディーが頭に浮かぶものがございましたでしょうか?


ロマンス、協奏曲、4つのロマンティックな小品、そしてこのソナチネが演奏や録音の頻度が高いかな、と思います。


「ん?ユーモレスクはどうしたのかな?」


と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、ヴァイオリン曲のレパートリーとして非常に有名なユーモレスクは、もともとピアノ曲で、現在良く演奏されているのはハイフェッツやクライスラーといった大ヴァイオリニスト達がヴァイオリン用にアレンジしたものです。


上に挙げたものは全て作曲家のオリジナル作品ですが、実際はアレンジものの方が有名です。


このほかにも、「我が母の教え給えし歌」なども良く演奏されますが、こちらもクライスラーの編曲です。



さて、ソナチネに話を移しますが(やっとかい!)、この曲はドヴォルザークが自分の子供たちのために書いた曲だそうです。


子供たちのその時々の能力に合わせて、こんな素敵な曲をプレゼント出来るなんて、なんと素晴らしい!


御承知のとおり、ドヴォルザークはその50代前半をアメリカで過ごしますが、このソナチネはそのアメリカ時代に書かれたものです。


メロディーの中に、アメリカの民族的な節回しが聞こえてくるのがきっとお分かりいただけると思います。



今回演奏するのは快活な4楽章のみですが、2楽章も本当に心に沁みる名曲です。

こちらも機会がございましたら是非!(いつものパターンで締め。)


スズキ・メソード仙台支部合同演奏会

3月15日 13:00開場 13:30開演

日立システムズホール仙台 コンサート・ホール

入場無料 全席自由 

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2015年03月06日

みんなの古い友人

3月15日の支部合同演奏会、本日の解説はコンサート後半に演奏されます、ヴィヴァルディの1曲です。


先日解説した「a-moll」と同じ「作品3”調和の霊感”」に収められております、

2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 作品3−11 第1楽章

がそれです!


本当にヴィヴァルディの作品3という曲集はヴァイオリン弾きにとっては大切な存在で、ある種「宝箱」とも言える程のものなんです。


少しずつ演奏能力が高まってきて、小品から協奏曲にチャレンジする時、あるいはさらに勉強が進んでアンサンブルへとトライする時など、いつもこの曲集を通ります。


ですから、作品3を「竹馬の友」として心の奥に大切にしまっているプロの演奏家も世界中に多いのでは?と想像します。


で、今回演奏致します第11番ですが、これはヴィヴァルディの協奏曲全体を通してみても、屈指の傑作です。


2人のソリストが競い合うようにメロディーを模倣しながら互いを高め合うイントロダクションに続き、チェロ(今回はピアノが代わりを務めます)が独奏を引き継いでその低音を深く響かせて導入部にピリオドを打ち、次にハーモニーだけで展開される短い中間部が一旦聴衆の心を惑わし、最後に格調高い厳格で長大な4声のフーガが曲を崇高に締めくくります。


独奏協奏曲にフーガを持ち込む手法はヴィヴァルディとしては珍しいのですが、フーガの中に独奏者の見せ場を非常にうまく織り交ぜた見事な出来栄えです。


この手のものをもっとたくさん書いていれば、ヴィヴァルディの今日の評価はまた違ったものになっていたかも知れません!


ちなみにフーガとは何かをごくごく簡単に説明いたしますと、あるメロディーをテーマとして、それを色々なパートが繰り返し受け渡しながら音楽を展開していく作曲法で、J.S.バッハが最も得意としたことでも知られています。


ついでながら、もしかするとバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」も、この曲に触発されて書かれた可能性も無いとは言えません!(実際にこの曲は編曲してはいないものの、バッハはかなりの数のヴィヴァルディの曲をチェンバロ用に編曲し、イタリアの協奏曲様式を勉強しました。)


今回は残念ながら演奏しませんが、2楽章、3楽章も名曲です。特に第2楽章は、「シチリアーノ」として独立して演奏される機会も多いです。


機会がありましたら是非!


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2015年03月03日

番号はおまけということで

3月15日の支部合同演奏会、本日は5曲目の解説です!


メヌエット 第1番という曲です。


私たちスズキ・メソードで使っております指導曲集 第1巻には、メヌエットが3曲出てまいります。


3曲とも耳なじみのある、「知ってる知ってる!」というおなじみの曲ばかりです。


どれもト長調ですし、一応全てバッハ作曲で、同じメヌエットという題名では扱い辛いので、便宜的に、1番・2番・3番と番号が振ってあります。


決して作曲家が付けた番号ではございませんので、一般には全く通用しない番号です。悪しからず。



さて、この曲は一応バッハの曲ということになっておりますが、実はまだ真偽のほどは定かではありません。


序曲 ト短調 BWV822という組曲の中に収められているのですが、まずこの組曲自体、純粋なバッハの作品かどうかは諸説あるところで、内容的にバッハの曲としては稚拙すぎるのことから、他者のオーケストラ曲などを鍵盤楽器用に編曲したものではないか、というのがもっぱらの見解のようです。


このメヌエットは組曲の第5曲目に当たります(ちなみに第3曲目は、指導曲集 第3巻の「ガヴォット ト短調」です)。


それで、メヌエットの作りとして良くあるパターンとして、


メヌエット@ − メヌエットA − メヌエット@ (メヌエットAは”トリオ”とも言われます)

もしくは、

メヌエット@ − メヌエットA − メヌエット@ − メヌエットB − メヌエット@


なんていうのがございますが、私たちが今回演奏する「メヌエット 第1番」は、上の表における メヌエットBの部分に当たるんです。つまり、長いメヌエットのごく一部なんですね!しかも3番目…。


…もうこうなってくると、第1番だか3番だか、訳がわかりません!


ですから、ひとまず番号は「おまけ」ということでお願い致します!



そうそう、指導曲集 第1巻のメヌエットは3曲とも「バッハ」作曲となっていると書きましたが、残りの2曲も、音楽学者たちの間ではバッハのものではない(第3番はペッツォルトという作曲家のもの)ということになっております。こちらも悪しからずです!



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2015年03月02日

妖精は魔女を兼ねる?

3月15日の支部合同演奏会プログラム解説、本日は4曲目です。


パガニーニ作曲の「妖精の踊り」のテーマなのですが、これがまた色々とツッコミどころがある曲なんですよね。


まず、この「妖精」という訳語ですが、原語のLa streghe(伊語)は「魔女達」の意味です。


「魔女」とするとイメージが悪かったのでしょうか、この曲は昔から「妖精」と訳されている場合が多かったように思います。


これがツッコミその1。


それから作曲者パガニーニという扱いですが、これにもちょっと問題があり?ます。


このパガニーニという人は歴史上最大のヴァイオリニストと言われる伝説の演奏家で、たくさんの興味深いエピソードが残っていますが(それらはまた別の機会に譲るとして)、自身のレパートリーのほとんどは超絶技巧を擁する難曲ばかりでした。


1から全て自分で作曲する曲もさることながら、パガニーニは、巷で人気を博していたオペラのアリアやバレエ音楽など、当時誰でも知っているポピュラーなメロディーを段々と変化させていく「変奏曲」というジャンルも大変得意としていました。


最初にみんなが知っているメロディーを「テーマ」として演奏し、その後そのテーマをもじった「ヴァリエーション(=変奏)」をいくつか演奏して、盛り上がって終了!というパターンです。


今回演奏する「妖精の踊り」も、テーマ部分は実は他の作曲家のものなんです。


フランツ・クサヴァー・ジュスマイアーという作曲家がその人で、現在ではほぼ忘れ去られた存在ですが、この名前に「あぁ!あの!?」と思われた方は、なかなかの音楽通です!


ジュスマイアーは、あのモーツァルトの有名な「レクイエム」を補筆・完成させた人物として知られています。


他にも、モーツァルト最晩年にはアシスタントとして「魔笛」や「皇帝ティートの慈悲」などの成立に力を貸したと言われています。


そのジュスマイアーが作曲したバレエ音楽「べネヴェントの胡桃の木(Il noce di Benevento)」のなかに登場する曲が、この「妖精の踊り」のテーマなんです。


…ちょっとまてよ、テーマはもともとジュスマイアーの作曲でしょ!じゃあこの「パガニーニ作曲」っていうのは一体…。


でもやはりパガニーニのおかげで、こうして今我々が彼の音楽を楽しむことが出来るのですから、ジュスマイアーには少しお認めいただきましょう!


これがツッコミその2。


今回演奏されない「妖精の踊り」のテーマ以外の部分、つまりイントロダクションや変奏部にはパガニーニの魅力がふんだんに詰まっています。


まだお聴きになったことのない方は、こちらの方もいつか是非!


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2015年02月28日

あこがれ

支部合同演奏会の曲目解説シリーズ、今日は3曲目の、

『ヴィヴァルディ作曲 ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品3の6より第1楽章』です。


この曲は、スズキ・メソードの子供たち(…大人たちもですね!)からは、通称『a-moll(アーモール)1楽章』と呼ばれております。

a-mollと申しますのは、イ短調をドイツ語で言い換えたもので、ヴィヴァルディ自身はイタリア人ですからもちろん彼が付けた通称ではありませんし、以前海外のスズキの先生のお一人が、『日本で言うところの俗にいうアーモール』的なことを仰っていたので、おそらく非常に狭い範囲での俗称だと思います。


さて、その『アーモール』なのですが、これはヴィヴァルディの最初の協奏曲集である作品3『調和の霊感(L'estro armonico)』に収められております。

この作品3は、当時ヴェネツィアの慈善音楽院の一つで音楽教師をしていたヴィヴァルディが、その音楽院の女子生徒達のために書き溜めた協奏曲を出版したものとも言われており、全12曲から成っています。


ヴィヴァルディの時代、この「協奏曲」というジャンルは非常な発展期にありました。


例えば、2つのメロディー楽器が低音楽器の伴奏に乗って競い合うように演奏しているような、ほぼソナタのような楽曲でも、「協奏曲」というタイトルが与えられていたりしましたし、反対にコレッリの協奏曲は、ソリスト2人か3人に対し、およそ100人の規模で伴奏したとのことですが、こちらも「協奏曲」と呼ばれました(ちなみにこちらは「合奏協奏曲」と呼ばれました)。


ヴィヴァルディの活躍したヴェネツィアでは、1人(時に2〜4人)のソリストを前面に押し出し、名人芸を披露するようなタイプの協奏曲(=独奏協奏曲)が出始め、流行しました。


中でも、ヴィヴァルディの作品3は非常に人気を博し、ヨーロッパ中に独奏協奏曲が拡まるきっかけとなったのみならず、現代まで続く独奏協奏曲のフォーマットとなったことは大変な貢献です!


「アーモール」は作品3の第6曲ですが、易しめの演奏レベルということもあり、初歩の生徒たちのあこがれとなっています。


今回演奏するヴァージョンは、20世紀に入ってからナッシェという人物が編曲したものです。


溌剌とした、いかにもイタリアン・バロックという1曲です!



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2015年02月24日

ズンチャッチャ!

フリードリヒ・クーラウといえば、ピアノのソナチネが有名ですね。


というよりピアノのソナチネ以外の曲を知っている方は、なかなかの音楽通です!



フルートのための楽曲が結構多いんですね。僕もクーラウのフルート・ソナタを集めたCDを1枚持っています。


IMSLPを見てみたら、なんとヴァイオリン・ソナタも数曲あることがわかりました!


今度トライしてみたいと思います!



さて、今回のコンサートで2曲目に演奏致しますのが、クーラウ作曲の”ワルツ”です。


作風は、同時代、というか同い年のウェーバーに何処となく通ずるものがあります。


一体出典は何なのかはまだ不明なのですが(申し訳ありません!)、溌剌とした3拍子のリズムに流れるようなメロディーを纏った前半と、付点のリズムで躍動と切なさを行ったり来たりする中間部(トリオ)に分かれており、その後また前半にダ・カーポする作りとなっています。



実は1曲目のクライスラーと、この2曲目のワルツは、私たちスズキ・メソードで使用している指導曲集(教本)第6巻の初期の版に掲載されていた曲なのです(他に、バッハの無伴奏チェロ組曲より、メヌエットを移調したものもありました)。


教本の第6巻は先ごろ改訂され、最新版が出版されたばかりなのですが、敢えてそのタイミングで過去の版の曲を回顧するとともに、生徒の皆さんにも、お客様にも、これらの隠れた愛すべき小品を紹介する機会を持つことができました。


まだお聴きになったことのない皆様、是非当日会場で!



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