またシューマンの話題で引っ張ってみます。
今日はヴァイオリンについてです。
シューマンのヴァイオリン曲は、一般的にはヤハリほとんど知られていません。
ヴァイオリン・ソナタが3曲と、ヴァイオリンとオーケストラのためのファンタジーが1曲、そしてヴァイオリン協奏曲が1曲存在しますが、そのどれもがすぐに頭に思い浮かぶとおっしゃるかたは、かなりの通です!
ところが、このヴァイオリン曲はどれもブログに書くような話のネタに関しては満載なのです。
なので小出しにすることにしまして、今日はソナタについて書きます。
3曲のヴァイオリン・ソナタのうち、第1番はフェルディナント・ダーヴィトのために書かれました。
ダーヴィトは、当時非常に影響力のあったヴァイオリニストの一人で、メンデルスゾーンが率いていたライプツィヒのゲヴァントハウス・オーケストラのコンサート・マスターでもありました。
(ちなみに、あの有名なメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲やヴァイオリン・ソナタも、このダーヴィトのために書かれたのです。)
ピアノ・パートはもちろん、クララ・シューマンが受け持ったのでしょう。
内に秘める「魂の叫び」を、増幅させては時に爆発させる、非常にシューマンらしい、熱い作りの曲です。
が、全体にヴァイオリンがあまり高音を使わないため、一見「地味」で華やかさに欠けるように感じられるのです。
シューマンのヴァイオリン・ソナタは、苦労の割に演奏効果が上がらないなどと、不届きな批評を良く目にするのですが、それは本質を見極めていない、表層的な感想なのです!
シューマン好きにとっては、そこがいいんです!
数年前には、
庄司紗矢香さんや
セルゲイ・ハチャトゥリアンがこの曲をコンサートで取り上げ、NHKで放送されていました。
お二方とも、本質を突いた素晴らしい演奏でした!
こんなにも無名なこの曲が相次いで取り上げられたことの陰には、最近ヘンレという出版社で最新版の楽譜が発売されたことも大きいのでは?などと想像します。
さらに6月20日(日)、白石市のホワイトキューブというホールで、
佐藤俊介さんが
リサイタルの中でこの曲を演奏されるようですね。どんな素敵な解釈が聴けるのでしょう!
なかなか生で聴く機会の少ない曲です。
お近くの皆さま、是非足を運んでみましょう!
飯塚
posted by suzukimethod at 00:26|
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