2009年09月02日

ここにもあそこにも

普段の生活の中で、結構クラシック音楽に触れる機会はあるものです。

1番はTV、中でもCMは印象に残るものが多いですよね。

気になる曲があったら、好機を逃さず、そこから思い切ってCDを購入してみるのも良いかもしれません。

曲名などが分からなくとも、今はインターネットの時代ですから、きっとすぐ調べが付くはずです(ちなみに私は昔TV番組のBGMが気になり、TV局に電話をかけて問い合わせたことがあります。すぐに教えて下さいましたよ)!


学校で歌った曲が、実はクラシックの名曲だったりすることもありますよね。

たとえばドヴォルザーク交響曲 第9番 「新世界より」の第2楽章が「遠き山に日は落ちて」として、もしくはスメタナ交響詩「わが祖国」の第2曲「ヴルタヴァ」が「モルダウ」の名で歌詞がついた合唱曲として親しまれていたりします。こうした曲は、大人になってもメロディがずっと頭の中に残っていたりするものです。


そういった曲があったら、思い出とともにもう一度楽しんでみるのも、とてもワクワクすることです。

そのときに感じたことや、出来事など、きっと思い出されることでしょう。


そうした思い出を、ご家族で共有するのも素敵ですよね!


色々な場所に、機会は転がっているものです。

飯塚

posted by suzukimethod at 23:55| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

エピソードI,II,III

管楽器が華やかに活躍する協奏曲は、何故かあまり多くありません。

もちろん無いわけではないのですが、ピアノやヴァイオリンのためのものに比べると、数は少ないのが現状です。


それでもモーツァルトには管楽器が主役になる曲が多いですから、演奏会や録音などでも良く取り上げられます。


どんなものがあるかと言いますと、

フルート協奏曲が2曲

オーボエ協奏曲が1曲

ファゴット協奏曲が1曲

ホルン協奏曲が4曲

フルートとハープのための協奏曲が1曲

そして彼の生涯最後の協奏曲であるクラリネット協奏曲が1曲です。

また2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネという曲にも管楽器のソロがあります。

ちなみにモーツァルトが初めて書いた協奏曲というのがどうもトランペットのためのものだったらしいのですが、こちらは現在楽譜が見つかっておらず、いまだ謎のままです…。


他にも、複数の管楽器(オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット)のための協奏交響曲があり、これはモーツァルトの自信作でしたが!…こちらにいたっては、初演の直前に楽譜が丸ごと紛失してしまいました…当時モーツァルトはパリのオーケストラ奏者達のためにこれを書いたのですが、楽譜が突然無くなったのは、「自分の名声を妬んでの誰かの陰謀」という由のことを語っています。これも非常に残念ですね!しかしこのエピソードが非常にモーツァルトらしい。


またフルート協奏曲は2曲あるのですが、その第2番といのが実はオーボエ協奏曲の焼き直し版で、当時モーツァルトに大金を払って作曲を依頼した人物は、新曲でなかったことに立腹したという記録も残っているようです。これもモーツァルトらしいエピソードですね!


モーツァルトより前の時代に遡りますと、バロック期には「協奏曲の鬼」といっても過言ではないヴィヴァルディや、楽曲の多さでは誰にも負けないテレマンらをはじめ、管楽器の協奏曲は数を増してきます。


そういった伝統を次の古典派の時代にもキチンと受け継いでいるところもまた、非常にモーツァルトらしいところです。

飯塚
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2009年08月31日

ポニョへの情熱大陸

レッスンをしていると、たまに「先生、これが弾きたいんです!」と言って、自分で用意した楽譜を持ってきてくれる子がいます。

そうした場合、多くは久石 譲さんのお書きになったスタジオ・ジブリの映画音楽や、葉加瀬 太郎さんの「情熱大陸」などですが、やはりどれも共通しているのは、生徒の皆さんが普段耳にしている作品だということです。


スズキ・メソードの生徒たちは、普段から音楽を良く聴くように、教本に付属のお手本を良く聴くように、と指導者から言われています。

それは、無形の音楽的センスをこれほど高く深く、しかも本人も気付かないうちに、いつの間にか身につけてしまう、などという方法は無いからでもありますが、同時に、「この曲を弾きたい!」という学習意欲を高めることにも繋がっているのです!

子供たちが、日頃聴いている曲を弾きたがっていることが、何よりの証拠です。


飯塚
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2009年08月30日

ヘンデルは歩いてこない

今年はヘンデル・イヤーといことは、以前このブログにも書きました。

ヘンデルは1685年生まれ、1759年没ですので、2009年が没後250年記念に当たるのですね。


ヘンデルと言えば「メサイア」などが有名です。

メサイア」のように、オーケストラと合唱、そして配役を伴った独唱者で一つの物語を歌によって上演する形式を「オラトリオ」と言います。

オペラとどう違うかというと、ものすごく簡単にいうと、舞台装置の有無、ステージを動き回るような実際の演技の有無、というところでしょうか。


オラトリオもさることながら、彼の最も得意としたジャンルはオペラでした。


オペラもオラトリオも、1作品大体2時間くらいで上演されるとして、1つ完成させるのに大変な時間と労力が必要とされそうですね!


ところが、このオペラとオラトリオを、ヘンデルは何と70作品近く作っているのです!全くスゴイことですよね!


残念ながら、普段はなかなか「メサイア」以外のヘンデルのオペラ・オラトリオを見る機会がありません。


もちろんバロックのオペラやオラトリオは、モーツァルトなど古典派以降のオペラと違って内容もある程度決まったもの…つまり、英雄の逸話、歴史もの、宗教的なものがほとんどです。ごく普通の一般大衆が主役の恋愛劇などは描かれません…。


しかしそれだからと言って、ヘンデルのオペラの価値が下がることがあるはずがありません!

素晴らしい音楽の宝庫なのです。


ヘンデル・イヤーの今年、まだまだ見る機会もあるはずです!

向こうからやって来ないなら是非、自分から機会を作ってしまいましょう!

飯塚
posted by suzukimethod at 17:25| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

意外な人物が

バッハのピアノ曲の一つに「イタリア協奏曲」と呼ばれるものがあります。

実際バッハが付けたタイトルは「イタリア風協奏曲」でしたが、これはこの曲が、当時イタリアで流行していたヴィヴァルディ(を筆頭とするヴェネツィアの作曲家たち)のスタイルで書かれたものだったからです。

ヴィヴァルディといえば有名なピアノ曲が!…1曲もありません…。では何故ヴィヴァルディのスタイルなのかというと、ヴァイオリンやオーボエなどの旋律楽器がオーケストラの伴奏で演奏する、あの一般的な協奏曲を模したものだったからです。


バッハの活躍した当時、ピアノは実はまだキチンと発明されておらず、鍵盤楽器の中で最も頻繁に使われたものの一つがチェンバロ(英語ではハープシコードと言います)でした。


チェンバロは豪華なものは鍵盤が2段になっています。

下鍵盤の方が少し大きい音、上鍵盤の方が少し小さい音がします。いずれにしても、今のピアノの音量には届きませんが!


バッハはイタリア協奏曲の中で、さかんに「フォルテ(強く)」と「ピアノ(弱く)」の指示を出しているのですが、これはチェンバロにおいて、下段を弾け、上段を弾け、という指示なのです。


音の(多少)大きな下段はオーケストラ・パート、音の(多少)小さな上段は独奏パート、と言った具合です。


ですから、現代のピアノでこれを演奏する際は注意が必要です。独奏パートが華やかに活躍すべき場面を、単に小さく弾いてしまう危険性もあるからです。想像するだけでとても難しいですね!


さて、このイタリア協奏曲を日本において初演した人物をご存じですか?


答えはなんと、あの滝 廉太郎なんです!ちょっとビックリですよね!


飯塚
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2009年08月28日

田園風

スズキ・メソードの教本の中に収められた曲に、「ミュゼット」の名を持つものが出て参ります。

バッハをはじめ、バロック時代の作曲家達が数多く作曲しました。


この「ミュゼット」は、現代フランス語では「アコーディオン」のことですが、アコーディオンは1800年代に入ってから考案された楽器なので、バロック時代にはまだ存在していませんでした。


ではこの場合の「ミュゼット」は一体何を指しているかというと、「バグパイプ」のことなのです。厳密にいえば「バグパイプに似た構造を持つ、ミュゼットという楽器」なのですが、見た目や音などのイメージは、小さなバグパイプといった感じです。


バロック時代のフランスでは、太陽王と言われたルイ14世がとても踊り好きだったため、王お抱えの作曲家たちは皆、ダンス、バレエの曲を沢山書き残しました。


ですからフランスにおいては、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット、メヌエット、ブーレ、ジーグ、パスピエ、シャコンヌ…などなどは、舞踏会のなかで実際に踊るために作曲したものだったのですね。こうしたダンス曲を一纏めにして「組曲」と呼んだりしています。


ちなみにドイツの作曲家であるバッハも、このような曲を沢山書いていますが、バッハの場合は、実際に踊るためというよりは、フランスの流行りを真似て、フランス風の曲を書いた、と言った方が当てはまるかも知れません。


さて、そのルイ王朝下のフランス貴族達の間に、「田園趣味」が流行していました。ものすごく簡単に言うと、郊外の雰囲気にあこがれ、ピクニックなどして楽しんでいたようです。


バグパイプは羊飼いたちの楽器でもありましたから、その音によって「田園」の雰囲気を楽しんだのでしょう。当時のフランスでは楽器の「ミュゼット」そのものも大変流行したみたいですね。


「ミュゼット」以外の楽器、たとえばチェンバロや、ヴァイオリンや、オーボエや、オーケストラ全体でも、ミュゼットっぽい音楽が演奏されました。すなわち、バグパイプのように、ずっと同じ音の低音が鳴り渡る上に、のんびりとしたメロディーが乗っかっている、あの雰囲気です。


ですから「ミュゼット」というタイトルを持つ曲には、必ず「ずっと同じ音で鳴り続ける低音(ドローンと言います)」が聞かれます。


また、「ミュゼット」は良く「ガヴォット」と結びつきます。ガヴォットを演奏していると、部分的にミュゼットが登場することが本当に良くあります。(モーツァルトのヴァイオリン協奏曲 第4番の第3楽章にも、部分的にこのガヴォット・ミュゼットのペアが出現します。)


そうした場合、少し「田舎っぽく」演奏するのがコツです!?少なくとも、シャキシャキと都会風に弾いてはいけません!


ただ私のように、「身体からみなぎる真の田舎臭さ」を出しすぎてもいけません!

飯塚
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2009年08月27日

歌うように

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を学習するにあたって、どうしても聴いておきたい曲があります。

同じくモーツァルトの書いたモテット、「エクスルターテ・ユビラーテ(踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ) “Exsultate, jubilate, K.165(158a)”」という声楽曲です。


ソプラノが主役になり、オーケストラの伴奏に乗って美しいメロディーを歌いあげる曲なのですが、これがまさに「ソプラノのための協奏曲」とでも言えるような作りをしているのです。

曲全体の構成も、初めに元気で楽しい第1楽章的な部分があり、次にしっとりとした第2楽章が続き、最後に軽快な第3楽章にあたる部分が奏されます。

これが驚くほどヴァイオリン協奏曲を演奏する上で参考になるのです。

特に第5番は、この曲のイメージそのままに演奏することが出来ます。



よく、楽器を弾く人間は「歌うように弾きなさい!」と言われます。

特にモーツァルトではそうです。


しかし、どのように歌えば良いのかというヴィジョンが頭の中になければ、それを楽器で再現することなど出来るはずがありません。

ですから、楽器を扱うものもキチンと声楽を勉強するか…さもなくば、声楽曲をたくさん聴いて、イメージを頭に蓄積しておくことが必要でしょう。


同じ「歌う」でも、宗教曲の厳格なイメージなのか、オペラのプリマ・ドンナのイメージなのか、合唱曲の1パートを担当しているかようなイメージなのか。


18世紀の音楽家たちに広く浸透していた格言的なものの一つに、「歌えないものは弾けない」というものがあります。

楽器は、「楽器」の中で終わってはいけないのかも知れませんね。

飯塚
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2009年08月26日

チェロ駅伝

チェロ協奏曲には「3大チェロ協奏曲」と呼ばれる有名なものがあります。

1つはシューマン、1つはドヴォルザーク、そしてもう1つがハイドンのものです。


ハイドンはチェロ協奏曲を2曲書いています。

第1番 ハ長調はスズキ・メソードの卒業検定曲にもなっていますので、そちらでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、3大コンチェルトの1つに数えられているのは第2番 ニ長調の方です。


この2曲はどちらも作曲当時ハイドンが務めていた"エステルハーズィ"という貴族のお抱えオーケストラでチェロを弾いていた、アントン・クラフトという人のために書かれたと言われています。


それで驚きなのが、このエステルハーズィのオーケストラには、なんとチェロ弾きがアントン・クラフト1人しかいなかったということなんです!

確かにハイドンが活躍していた時代のオーケストラは現代のものと比べて非常に小編成で、扱う楽器数も少なく、一人の奏者が1曲の中で複数の楽器を掛け持ちすることもまれではありませんでしたから、せいぜい40人もいれば大きな方かも知れません。

エステルハーズィのオーケストラはそれよりもっと小規模で指揮者もいませんでしたが、きっとその分、音楽監督であるハイドンのもとに親密な演奏が繰り広げられていたに違いありません。


ご存じのように協奏曲はオーケストラの伴奏の前で独奏者が華やかな主役を演じますが、アントン・クラフトはこの伴奏と独奏の二役を一人でこなしていたことになります!


そのためハイドンのチェロ協奏曲では、独奏チェロが弾いている間は伴奏パートのチェロはお休みになっています。

反対に独奏が休んでいる間は伴奏が活躍するというわけです。


もちろん現代ではそれを分業して演奏しますが、クラフトは当時1曲中休まずに大変でしたでしょうね。協奏曲中、独奏者はメロディーの切れ目で普通お休み出来るのですが、彼はそれをマラソンか駅伝のようにずっと演奏し続けたのですものね!

今度この曲を耳にする際は、アントン・クラフトのことを思い出して聴いてみて下さい!

飯塚
posted by suzukimethod at 16:58| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月25日

一人ずつ

ハイドンといえば交響曲を数多く作曲しことで有名です。107曲も書いたことから、「交響曲の父」とも呼ばれています。

ハイドンの交響曲は非常にユニークなものが多く、ニックネームを持つもの沢山あります。

たとえば、「朝」「昼」「晩」「火事」「悲しみ」「校長先生」「うっかり者」「時計」「軍隊」「V字」「ロンドン」などなど、まだまだ沢山あるのですが、中でもとりわけ面白いのが第45番「告別」です。


まず調性が「嬰ヘ短調」というのも強烈です。ハイドンといえども、この調は1曲しか使っていません。

ハイドンが活躍したこの「古典派」と言われる時代は、簡単に言うと「誰が聞いても楽しめる、明るくて分かりやすい音楽」が非常に好まれました。

ですから、短調が支配するこの曲は、とても異質な感じがしたはずです(もちろん「疾風怒涛期」という、こうした異質な曲が流行した時期もありましたが)。


しかしこの曲を、最もユニークならしめているのは、その最終楽章です。

なんと、曲が終わりに近づくに従って、演奏者が一人ずつ舞台から去ってゆき、最後には2人だけが残ります。


これはCDなどで聴いてもあまり伝わらないのです…というのも、「ホルンが休み」「オーボエが休み」「チェロが休み」なんてことは、シンフォニーを演奏中には普通にあることなので、舞台から去っていく姿が見えなければ、聴いている側は「単なる休みかな?」と思ってしまいます。


ところが、今年の1月1日に行われたウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで実演を見ることが出来たのです!

ハイドン・イヤーを記念して取り上げられたのですが、なかなか第45番の実演を見ることは少ないので、非常に貴重な映像でした。


機会があったら皆さんも是非ご覧下さい!

飯塚
ラベル:ハイドン
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2009年08月24日

当たり前のことが、なかなか難しい

なかなか思うように弾けないフレーズがある。

何度も何度も繰り返してトライするが、やはりなかなか成功しない…。

そのうち段々と成功に近づき…。

ついに成功する!!!!

そして次のフレーズに移る。


っとこの最後のこれがいけないのです!

出来て次に移ってしまっては、「負け・負け・負け・負け…(中略)…負け・負け・勝ち!、終了。」となってしまいます!

99敗連続して最後にやっと1勝すると、なんだかこれ以降はいつ弾いても「出来るようになった」気がしてしまいます。

事実は、大きな大きな負け越しのままです。



この、ついに掴んだ1勝からが本当のスタートです。

おそらく、1勝してもまた何度も負けることでしょう。

ですが、きっと、「負け」の連続の中に「勝ち」の数が増え始め、そしてついに「勝ち」の連続がやってきます。

そして、新しい能力が根を張り、恒常的な力となっていくのです。


これも、スズキ・メソードの根本的考えの1つです。

飯塚

posted by suzukimethod at 23:17| 音楽コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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